ORIGIN ― 自信と誇りで拓く、作業療法の未来 ―
九州作業療法学会2027 in 福岡
学会長 籾井 剛士
公益社団法人 福岡県作業療法協会 副会長
九州作業療法学会2027 in 福岡の開催にあたり、九州各地をはじめ全国の作業療法士の皆様、ならびに関係各位に心より御礼とご挨拶を申し上げます。
少子高齢化や人口動態の変化、医療・介護を取り巻く制度の変革、さらにはAIをはじめとするテクノロジーの急速な進展など、私たちの生活と社会は今、かつてない転換期を迎えています。激動の時代において社会から求められる役割が広がりを見せる今だからこそ、私たち作業療法士は、「作業療法とは何なのか」「私たちは人の生や生活にどのように寄り添い、いかなる価値を社会へ届ける専門職なのか」という根源的な問い、すなわち自らの原点を見つめ直すことが求められています。
本学会のテーマには「ORIGIN ― 自信と誇りで拓く、作業療法の未来―」を掲げました。「ORIGIN(原点)」とは、単に過去の実績や歴史を振り返る回顧ではありません。病や障害、生活の困難さを抱えたとしても、その人がその人らしく生きる意味を見出し、日々の営みを再び紡ぎ出す――私たちが脈々と培ってきたその理念と実践知を、これからの新しい時代にどう生かしていくのかを問い直す「出発点」です。対象者の持つ可能性を信じ、心と身体、環境を包摂して「作業」の力で生きる力を引き出すことこそ、作業療法の真髄であり、普遍的な価値であると確信しております。
開催地である福岡県北九州市は、ものづくりに象徴される幾多の挑戦の歴史を有し、困難を乗り越えて新たな価値を創造してきた歩みを持つ地です。この「困難に向き合い、新たな可能性を切り拓く」という風土は、失われた機能の補填にとどまらず、対象者の「できること」や「大切にしたい暮らし」を再構築していく作業療法の姿勢と深く響き合うものがあります。今や作業療法の活躍の場は、医療・介護・福祉の領域にとどまらず、教育、就労、地域づくり、先端技術との協働など、社会のあらゆる生活空間へと広がっています。
本学会の最大の醍醐味は、画面越しでは得られない「人と人との出会い」にあります。日々の臨床や地域で真摯に対象者と向き合っている仲間が集い、語り合い、多様な視点や考え方に触れること。それは自らの実践を客観的に見つめ直し、新たな発想や刺激を得るかけがえのない機会となるはずです。若手からベテランまで、領域や世代の垣根を越えて対話を重ねる中で得られる気づきは、明日からの日々の実践をより豊かにし、皆様一人ひとりの今後のキャリアを力強く拓く糧となることを確信しております。
「自信と誇りで拓く、作業療法の未来」。その未来は孤立した営みではなく、多職種や地域、多様な人々との豊かなつながりと協働の中でこそ形作られます。2027年7月10日・11日の2日間、熱気あふれる福岡の地で皆様と直接言葉を交わし、作業療法の原点と可能性を分かち合えることを、心より楽しみにしております。多くの皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。

